進学校で進学しなくてもいい。上場広告を母校の後輩への手紙っぽくした理由

アメリカ独立宣言の起案者でもあるトーマス・ジェファーソン大統領。彼がカンバーランド道路の建設を承認した1806年3月29日から、ちょうど213年後の2019年3月29日、エードットは上場しました。

上場当日に、エードット社長の伊達晃洋と、その高校の同級生である私、噂の長谷川は、連名で、故郷の新聞、山陰中央新報にこんな広告を出しました。


読みにくいので、メッセージを下に書き起こします。

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松江東高の後輩へ 

クラスメイトとは、仲良くしといたほうがいいとおもう。 
クラスメイトが、進学せずに夢を追いかけ、フリーターになっても、仲良くしたほうがいい。 
クラスメイトが、進学して就職したのち、無職になっても、仲良くしたほうがいい。
だって、高校の友だちは、一生の友だちになるかもしれないから。
あ、突然すいません。この広告を出しているぼくらは、東高卒業生の伊達と長谷川です。
元フリーターなのは伊達で、元無職なのは長谷川です。
ぼくらは、松江東高で出会って上京したあとも、ずっと仲が良かった。 
だから一緒に会社をつくりました。そして、きょう上場します。
もちろんこれは、ゴールではなくスタートです。
ぼくらのアドベンチャーは、まだまだ続きます。
島根支社もつくったので、ぜひOB訪問でもしにきてください。

株式会社エードット代表 伊達晃洋 
株式会社噂の代表 長谷川哲士

本日3月28日に上場するので、 日経新聞に上場の挨拶広告を出そうと思ってましたが、 間に合わなかったため故郷の新聞に出しました。
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上場日の前日に言葉を考えてデザインして、山陰中央新報さんに送るスケジュール感でした汗。

時間がなかったのですが、「上場しました」と伝えるだけの広告ですと、ただの自慢で終わってしまうので、そうならないようにしようということを最初に気をつけました。

そして伊達と僕が出会った母校の松江東高の後輩に向けてのメッセージにすれば、ちょっとはおもしろくなるかなと思ったのです。

とはいえ、僕らがエラそうに言えることなんて何もない。。。もし伊達や僕が、東大やマサチューセッツ工科大学に行ってれば、言葉に重みが出るかもしれません。

ですが現実は、伊達は高校卒業後フリーターになりましたし、僕は大学に行ったにもかかわらず、就活をせずに無職になってしまった人間です。東高の後輩の方たちや、その両親や、先生たちが、僕らの言葉に聞く耳をもってくれるはずがない。・・・いや、でも待てよ。逆に、順風満帆な進路を歩まなかったからこそ、言えることもあるかもしれない。進学しない人もいるだろうし、進学したあと悩んでいる人もいるだろうし、僕らみたいな人間がいる事実を知れたら、ちょっとでも気がラクになるのではないか、と都合よく考えました。

そして、昔の自分たちに「キミは間違ってないよ」と言うつもりで、キーボードをたたきました。「高校の友は一生の友」というありきたりな言葉だけど、僕は事実だと思っていることを書きました。デザイナーにデザインしてもらって、チャットで伊達に原稿を送ったら、1分後に


これ良いじゃん!!
出そう!

29日上場ね!

 

クラスメイトは熱く冷静な経営者です。出稿後、新聞広告の写真を故郷にいるクラスメイトからもらい、Facebookに投稿したところ、いいねがたくさんもらえました。まぁこういうめでたい投稿にいいねはつきやすいですからね笑。

上場パーティーで、彼が注いでくれたビールを飲んで余韻にひたっているときに、ポケットのスマホがふるえました。松江東高の校長先生からのメールでした。